次の鏡は「8」、お腹を引き裂かれた前田君。


鏡の中に映っているのは前田君なのに、私の動作と同じように動くから怖い。


動くたびに、切られた部分から腸が飛び出して、ズルリと身体からこぼれ落ちるのだ。


思わずそれを受け止めようと、お腹の下に手を伸ばすけど、私自身がお腹を裂かれているわけじゃなくて、手には何も感じない。


……ダメだ、気持ち悪い。


早く一階に行こう。


もう、この時点で、誰が見ても鏡の意味は理解出来るだろう。


数字が書かれた鏡、そこに映る殺された人。


次の数字は「7」の成瀬君、その次は「6」で岡田君。


それらを見ないようにして通り過ぎ、階段に差し掛かると、その途中にも鏡は立て掛けられていて、そこに誰がいるかは……わかる。


恐る恐る近付いた鏡。


数字は「5」。


そして、私の代わりに鏡に映ったのは……頭部を真っ二つに引き裂かれた樹森君の姿だった。


うっ!と、胃から熱いものが込み上げて来るような感覚に襲われ、慌てて階段を下りる。


だけど、そこに待っていたのはさらなる鏡。


正面から見る分には、血塗れではあるものの普通の伊達君だけど、横を向くと不自然に後頭部が削れている。


数字は「4」で、今日はこれ以上は死んでいないはず。