びっくり……した。


でも、夢なら何が起こってもおかしくはない。


現実世界だったら、腰を抜かして取り乱しているところだけど、うちの廊下にこんな鏡がある事自体、もう非現実的だし。


考えれば考えるほど、非現実的な事は夢だと判断出来る。


だけど……数字が「10」の鏡で片桐さんだとすると……。


チラリと見た次の鏡。


そこには「9」と書かれていて、次は誰が映るのか、容易に想像出来た。


見たくはない……だけど気になる。


歩を進めて、その鏡の前に行くと……。















私の代わりに映ったのは、首から上がない咲良の姿だった。












片桐さんと同じく、大事そうに頭部を抱えて。


その姿を見た瞬間、私の目からポロッと涙がこぼれた。


あの時はナニかの存在なんて半信半疑で、まさかこんな事になるなんて思ってもみなかった。


どうする事も出来なかったとはいえ、大切な友達を失って、今になってそれが実感したのだから。


「ご、ごめんね……咲良。私、頑張って終わらせるから」


悲しげな表情の咲良をこれ以上見たくなくて、私は前に進んだ。