時計はまだ21時半過ぎ。


それでも、短い時間に多くの人が死に、私自身も殺されそうになって、精神的に疲れたから、布団の中に入ったら思いの外早く眠気が来た。


あれから、鏡に異変は起こらなかった。


もうすでに夢の中にいるのか、それともまだ現実の世界なのかがわからない。


「……影宮さん、寝た?」


スースーと寝息が聞こえて、返事がない事から、少なくとも眠りかけということだろう。


……どうしよう。


眠気が来たはずなのに、影宮さんに声を掛けたら眠れなくなったよ。


目を閉じて、真っ暗な闇の中。


少し目を開けて見ようかなと思うけど……何だか、怖くて目が開けられない。


もしも目を開けて、目の前にナニかがいたら……。


部屋の隅に立っていたら……。


そんな事を考えながら、ベッドの上でゴロゴロと動いていた。


眠りたいのに眠れない。


日中のベッドでだと、かなり好きな感覚なのに、夜のベッドでは嫌いだ。


早く眠ってしまいたいのに。


身体を丸めて、枕の端を掴んで溜め息を吐いた時……影宮さんがいるあたりで、ゴソゴソと音が聞こえた。


布団から出て起き上がり、部屋のドアを開けたような……。