「まあ、それはきっと、美術準備室が都合が良かったんでしょうね。怪談話で人が寄り付かないし、一箇所にまとめてしまおうみたいな考えもあったかもしれないわ」


考えている事は私と同じか。


まあ、それに意味があるのかないのかと言われたら、当時の事を知らない私には良くわからないし。


考えても意味がない事なのかもしれない。


「後は……なんだろ。良く分からないけど、違和感があるんだよね。それが何なのか……ちょっとはっきりしないんだけど」


私は何に対して、その感情を抱いているのだろう。


伊達君や樹森君はもう死んでしまった。


京介はケガをしたし、真弥ちゃんは無事に家にいる。


他の人と比べると、私だけやたらナニかに狙われているような気がするけど、それはきっと私が狙いやすいんだろうな。


「それが重要な違和感じゃない事を祈るわ。気付いた時にはもう手遅れ……なんて、勘弁してほしいから」


うん、私もそうはなってほしくないから、出来るだけその違和感が何かというのを突き止めたい。


明日になれば全てが終わる……そう信じたい。


「とりあえず、明日に備えてもう寝ましょう。横になってから、おかしな事が起こったら、それは夢よ。良いわね?」


「う、うん」


すでにおかしな事が起こっているけど、今日はどんな恐ろしい夢を見るのか、今から不安だった。