不思議そうに、私と、音を立てて倒れた鏡を交互に見て首を傾げる影宮さん。
運良く影宮さんが部屋に戻って来たから良かったものの、長風呂されたらどうなっていたかわからない。
立ち尽くす影宮さんの足にしがみ付いて、私はこれまでの経緯を話した。
「なるほどね。ナニかが暴れて、鏡の中から出ようとしていたように見えたのね。でも、そんな事が本当にあるのかしら?」
私の言葉を信じていないような言い方で、考え込む。
「だ、だって!本当に見たんだよ!?鏡の中から手が出てきたし、こっちにおいでって……」
「……それは本当に現実なのかしら?もしかして、どこかで眠って、夢を見ていたなんて事は……」
それは……ないと思う。
現実的に考えると、そうであって欲しいけど、どこで眠るタイミングがあったのかもわからないし、夢だとすると、その登場人物の影宮さんがそんな事を言うかな?
「夢なんかじゃないと思うけど……どこまでが現実で、どこからが夢とかさっぱりわからないんだよね」
完全に可能性が0ではないというのが怖い。
「まあ、そうね。色んな可能性は考えておくべきね」
そう言って、頭に巻いたバスタオルを解き、髪を拭き始める影宮さん。
学校指定のジャージの袖から見えた、奇妙な物が……私の目を釘付けにした。
運良く影宮さんが部屋に戻って来たから良かったものの、長風呂されたらどうなっていたかわからない。
立ち尽くす影宮さんの足にしがみ付いて、私はこれまでの経緯を話した。
「なるほどね。ナニかが暴れて、鏡の中から出ようとしていたように見えたのね。でも、そんな事が本当にあるのかしら?」
私の言葉を信じていないような言い方で、考え込む。
「だ、だって!本当に見たんだよ!?鏡の中から手が出てきたし、こっちにおいでって……」
「……それは本当に現実なのかしら?もしかして、どこかで眠って、夢を見ていたなんて事は……」
それは……ないと思う。
現実的に考えると、そうであって欲しいけど、どこで眠るタイミングがあったのかもわからないし、夢だとすると、その登場人物の影宮さんがそんな事を言うかな?
「夢なんかじゃないと思うけど……どこまでが現実で、どこからが夢とかさっぱりわからないんだよね」
完全に可能性が0ではないというのが怖い。
「まあ、そうね。色んな可能性は考えておくべきね」
そう言って、頭に巻いたバスタオルを解き、髪を拭き始める影宮さん。
学校指定のジャージの袖から見えた、奇妙な物が……私の目を釘付けにした。