そして、それは意外と早くに訪れた。


「じゃあ、悪いけど私はお風呂に入らせてもらうわ」


と、影宮さんがバッグから着替えを取り出して部屋を出て行った。


……何で着替えなんて持ってたんだろう。


最初から誰かの家に泊まるつもりで、準備していたとしか思えないんだけど。


「ま、いっか。それにしても今日は、影宮さんがいるおかげであんまり怖くないな」


テーブルの上の鏡は伏せてあるし、他に鏡はない。


これ以上私が考える事もないんだけど……なんだろう。


今日を思い返してみると、何かが引っかかるんだよね。


違和感があると言うか……私が理解力が足りないだけなのかな。


どこがどうと言うのはわからない。


それがわからないから感じているんだ。


きっと、原因が何かわかれば、それを考えられるから、スッキリ出来るのに。


「どこだろう……伊達君の行動は一貫してたし、美術準備室?あそこに鏡が片付けられてたから……」


そう言えば、美術準備室の鏡はまだ調べていないじゃない!


美術準備室の近くからスタートして、すっかり調べた気になっていたけど……あの部屋の鏡は手付かずだった。