「どうしたの?嬉しそうな顔をして」


「え?うん。真弥ちゃんがね、ムカついてる人を殺す為に私達と別れたんだけど、やっぱり殺せなかったって」


なんて事を嬉々として話しているんだろう。


普通に学校生活を送っていたら、こんな事を言う機会なんて絶対になかっただろうな。


「まあ、真弥ちゃんに人は殺せないわね。あんなに無邪気な子に、殺人は似合わないわ」


最初は嫌いだなんて言ってたくせに、いつの間にかそうでもなくなってるんだから。


「そうだね。真弥ちゃんには明るく元気でいてほしいよね」


「……元気すぎるのも考え物だと思うわ」


そんな話をしながら、私達は時間を過ごした。


欠けた鏡を見つける不安、生徒がいないであろう明日の学校での行動、思う事は何でも二人で話して。


恐らく、泣いても笑っても明日が最後になりそう。


数字が「0」になるのが早いか、欠けた鏡を探すのが早いか、それで私達の運命が決まる。


どちらの結末を迎えても、どうなるかなんてわからない。


はっきりとどうなるかがわかれば、もっと必死になるか、探さなくても良いかという判断が出来るのになあ。


なんて、こんな最悪の状況に陥っているのに、探さなくても良いなんて選択肢はないとは思うけど。