なんて考えていても、このまま永遠にお風呂に入らない事なんて出来やしない。


鏡の中の異変に気付かなければ、多分どうにかなるって事でしょ?


本当に、ナニかが影宮さんの方にいると言うのなら、私の所には来ないかもしれないよね。


だから……影宮さんには悪いけど、お風呂に入るなら今しかない。


部屋を出て、廊下を歩いて階段。


そこを下りると……正面に見える脱衣所の洗面台の鏡。


よりによってドアが開いていて、私を待ち構えているかのよう。


普段なら何も思わないのに……暗闇の中に浮かび上がる、鏡に映った私の姿が妙に不気味に感じる。


あれは……本当に私なのだろうか?


見慣れている自分の姿でさえ、私ではない別のナニかに思えてしまう。


私の顔が別の人になっているかも。


脱衣所に入ったら、閉じ込められてナニかが手を伸ばしてくるかも。


ダメだ、悪い事ばかり考えるのはやめよう。


今まで悪い事を考えて、実際にそんな事が起こった事なんてないから大丈夫。


自分にそう言い聞かせ、脱衣所の電気のスイッチを押して……。


覚悟を決めて顔を上げた。











するとそこには……。