その大きさの物は……ナニかが持ってるガラス片。


あれは、欠けた鏡の欠けた部分だったのか……。


ガラスだとばかり思っていて、しっかり見ていなかったから、今まで気付かなかった。


まあ、気付いた所で、さっきまで欠けた鏡の事を知らなかったから意味はなさそうだけど。


「まあ、これじゃねえなら一階に行こうぜ。もう影宮達は図書室の前にいるんじゃねえの?」


私の肩を押して、階段を下り始めた京介。


「え、え?ちょっと、鏡に映ったらナニかに襲われるよ!?」


手すりを掴んで、必死に抵抗するけど、そんな私に呆れたような表情を浮かべて溜め息を吐いた。


「大丈夫だっての!俺は襲われなかっただろ?欠けた鏡を探せって言って、殺されるわけが……」


そこまで言って、京介が鏡の方を向いた時だった。










鏡の中、京介の隣に……背筋に悪寒が走るほどの冷たい視線、不気味な笑みを浮かべて立っていた。


その手には……ガラス片!?


素早く振り上げて、京介に向かって振り下ろしたのだ。


「う、嘘だろ!?」


鏡を見ていた京介は、ナニかから逃げるようにして階段に倒れた。


振り下ろされたガラス片は、京介のカバンを切り裂いて。