昔の事は、今考えていてもわからない。


私達に出来る事は……とにかく欠けた鏡を探す事だ。


教室を出た私達は、鏡がある方の階段に向かった。


京介はどうかわからないけど、私は鏡に映ってしまえば、間違いなく襲われる。


不安に包まれてやって来た二階の階段。


鏡面が確認出来る位置まで下りて、恐る恐る鏡を見てみると……。


欠け……てるのかな?


なんだか、少しだけ欠けてるようにも見えるけど、ただ削れているだけのような気もする。


「あれかな?欠けた鏡って」


違うとは思いながらも、鏡を指差して京介に尋ねてみる。


「なわけねえだろ。欠けてるって、これくらい欠けてるんだよ」


そう言って、指で二等辺三角形を作って見せる。


20センチ×10センチくらい……思ったよりも大きく欠けてるんだな。











「……って、なんで京介がそんな事知ってるの!?さっきまでナニかを見た事もなかったのに!」


「あ、ああ?なんでそんなに驚いてんだ?幽霊が見せたんだよ。これが合う、欠けた鏡を探してくれってよ」


そう言い、また二等辺三角形を作る。


京介はわからないかもしれないけど……私や影宮さんは、それが何かと言う事を知っている。