欠けた鏡を探す。


それにどういう意味があるのかは私にはわからない。


もしもそれが唯一、ナニかから助かる為の方法だとしても、その為には鏡を見なければならない。


鏡の中に潜むナニかの思うつぼ。


そんな気がしてならない中、私は京介と、影宮さんは先生と一緒に校舎の鏡を隅々まで調べる為に走り回っていた。


調べるだけならペアを組む必要なんてないけれど、今は状況が状況だから、誰かに襲われても、もう片方が対処出来るように。


この学校で、備え付けの鏡はトイレと階段の踊り場。


家庭科室や生物室なんかにもあるだろうし、細かい事を言えばロッカーなんかも含まれるだろうけど。


とりあえずは30年前からありそうな鏡を調べる。


私達の教室がある方の棟を影宮さん達が。


美術準備室がある方の棟を私達が調べる。


その後は一度図書室の前で合流してから、また考える。


この学校もう、鏡がない場所だから安全というわけではなくなった。


同級生が死んで、何人残っているかはわからないけど、今、残っている人達は間違いなく、他の人を殺そうとしていると考えた方が良い。