そのクラスメイトが、ナニかに命を狙われていた事はわかる。


だけど、欠けた鏡って一体何なの?


そんな話は聞いた事がない。


「原田先生、もっと詳しく教えてください。欠けた鏡を見付けたら、何がどうなるんですか?」


今までになく、影宮さんが話に食いついたけれど、先生はその勢いに圧されて少し引き気味。


「い、いや……それはわからないが。とにかく当時は皆、欠けた鏡を探していたみたいだ。どこにも見当たらないとか言っていたけど……」


「欠けた鏡……そんなのこの学校にあったかしら?それを見付けて、どうすれば良いのかしら?」


美術準備室の次は欠けた鏡。


怪談話になっている美術準備室はわかるとして、どこから欠けた鏡なんて出て来たのだろう。


「でも先生よぉ。そんな昔に欠けてた鏡なら、今はもう交換されてるんじゃねえの?」


「そうだよね。先生が学生の頃の話だったら……もう30年くらい前じゃないんですか?」


原田先生は50歳前のはずだから、大体それくらいのはず。


「それはわからない。だけど……もしもそれを見付けなければならないなら、先生もその鏡を探そう」


人を殺す事を考えているクラスメイトばかりの中で、先生が協力してくれるというのは嬉しかった。