私が感じたあの冷気……あれは伊達君に対する恐怖だと思ったけど、もしかしたらナニかが移動して、私の鏡にやって来た?
いや、影宮さんの方かもしれないけど、それを確認する勇気はない。
「運は私達に味方してるわね。それともナニかが、私達を美術準備室に招き入れようとしているのかしら?」
「こ、怖い事言わないでよ。京介、大丈夫?立てる?」
手を差し出して、京介を立ち上がらせた私は、鏡を入れた胸ポケットに手を当てた。
あの冷気がナニかだとしたら、あれは夢じゃなかったの?
真弥ちゃんの家で晩御飯を食べた直後に眠って夢を見たとすると、玄関で感じたナニかの気配……冷気も夢だったはずなのに。
夢と現実の境界線が、全くわからない。
「俺が大丈夫かどうかは置いといてよ……」
惨殺された遺体を見るのは四度目……とは言え、決して慣れるもんじゃない。
岡田君が死んだ時と酷似した死に方で、踊り場に横たわる樹森君を一瞥し、京介は俯いた。
「……復讐なんかに取り憑かれるから。無駄に命を落とす事になるのよ」
少し寂しげな表情を浮かべて、影宮さんは美術準備室の方に歩いて行った。
いや、影宮さんの方かもしれないけど、それを確認する勇気はない。
「運は私達に味方してるわね。それともナニかが、私達を美術準備室に招き入れようとしているのかしら?」
「こ、怖い事言わないでよ。京介、大丈夫?立てる?」
手を差し出して、京介を立ち上がらせた私は、鏡を入れた胸ポケットに手を当てた。
あの冷気がナニかだとしたら、あれは夢じゃなかったの?
真弥ちゃんの家で晩御飯を食べた直後に眠って夢を見たとすると、玄関で感じたナニかの気配……冷気も夢だったはずなのに。
夢と現実の境界線が、全くわからない。
「俺が大丈夫かどうかは置いといてよ……」
惨殺された遺体を見るのは四度目……とは言え、決して慣れるもんじゃない。
岡田君が死んだ時と酷似した死に方で、踊り場に横たわる樹森君を一瞥し、京介は俯いた。
「……復讐なんかに取り憑かれるから。無駄に命を落とす事になるのよ」
少し寂しげな表情を浮かべて、影宮さんは美術準備室の方に歩いて行った。