「うげっ!!」
なんとか樹森君の腰に飛び付いた京介だけど、見た目で明らかに重量が違うせいか、呆気なく弾かれた。
でも、樹森君を掴んだままで、二人で一緒に床に転がったのだ。
「あいたた……じゃ、邪魔をしないでよ!紫藤君!」
慌てて起き上がり、転倒の際に放した鏡に樹森君が手を伸ばす。
「や、やめろ!お前はそれで良いのかよ!幽霊の力で嫌なやつを殺して、お前は納得出来るのかよ!」
「僕の気持ちなんて、紫藤君にはわからないよ!いつもいじめられて、なんとかしたいと思っていても出来なくて!」
お互いに掴み合っているけど、京介の上に馬乗りになって怒鳴る樹森君。
大きく振り上げた拳が、京介の顔に打ち付けられた。
ドンッと、床に振動が伝わるほどの強烈なパンチ。
「ぐっ!!」
喧嘩慣れしていない京介が、久々に食らったであろう一撃に、私は影宮さんから渡された鏡を、ポケットから取り出して二人に駆け寄った。
「や、やめて!樹森君……」
蓋を開いて鏡をゆっくりと向けた私を見て、樹森君は慌てて顔を背けた。
弱いくせに、人を助けようと必死になる京介が、これ以上殴られるのを見たくなくて。
なんとか樹森君の腰に飛び付いた京介だけど、見た目で明らかに重量が違うせいか、呆気なく弾かれた。
でも、樹森君を掴んだままで、二人で一緒に床に転がったのだ。
「あいたた……じゃ、邪魔をしないでよ!紫藤君!」
慌てて起き上がり、転倒の際に放した鏡に樹森君が手を伸ばす。
「や、やめろ!お前はそれで良いのかよ!幽霊の力で嫌なやつを殺して、お前は納得出来るのかよ!」
「僕の気持ちなんて、紫藤君にはわからないよ!いつもいじめられて、なんとかしたいと思っていても出来なくて!」
お互いに掴み合っているけど、京介の上に馬乗りになって怒鳴る樹森君。
大きく振り上げた拳が、京介の顔に打ち付けられた。
ドンッと、床に振動が伝わるほどの強烈なパンチ。
「ぐっ!!」
喧嘩慣れしていない京介が、久々に食らったであろう一撃に、私は影宮さんから渡された鏡を、ポケットから取り出して二人に駆け寄った。
「や、やめて!樹森君……」
蓋を開いて鏡をゆっくりと向けた私を見て、樹森君は慌てて顔を背けた。
弱いくせに、人を助けようと必死になる京介が、これ以上殴られるのを見たくなくて。