「それでね、三つの怪談話が出来たのは、この美術準備室の事件の後らしいのよ。何が言いたいか、もうわかるわよね?」


もう、楽しくて仕方がないといった様子で、ニタリと笑う影宮さん。


「つまり……三つの怪談は、全部繋がってる?」


何の手掛かりもなく、ただナニかに怯えるだけだったけど、少し光明が見えた気がする。


それだったら……元となった美術準備室を調べれば何かわかるかもしれない。


「だけどよ、影宮が気付いたんだったら、先生達も当然気付くだろ。とっくに調べられてるんじゃないのか?そもそも、美術準備室で何があったんだよ」


「なかなか鋭い指摘ね、紫藤君。確かに先生達は調べたでしょうね。そもそも、そこで死んだわけじゃないのに、どうして生徒が消えるなんて噂が流れたのか……誰かが、消えたのを見たに違いないわ」


それを見た人が噂を広めて、いつからか怪談話になってしまったんだろうな。


「……ま、行ってみればわかるんじゃねえの?なんで消えたかわからねえから、立ち入り禁止にしてるんだろ」


「そういう前向きなの、私は好きよ。でも、今は気を付けないといけないわね。伊達君がまたとんでもない事をしでかしたから」