影宮さんが登校してきたのは、それから5分後の事だった。


「……あらあら、随分ヤバい雰囲気になってるわね。ツンと突けば崩れてしまいそうな感じかしら?」


自習室の中を覗いた影宮さんが、クスクスと笑い声をこぼした。


「なんか皆、ピリピリしてるよねー。ここは息が詰まりそうだったよ」


「フフフ……息が止まらなくて何よりだったわ。それより二人は鏡を持ってるかしら?」


真弥ちゃんにそう答えた後、カバンから二枚の折りたたみ式の鏡を取り出した。


それを見て、ビクッと反応する私と真弥ちゃん。


「な、なんで鏡を……まさか美奈ちゃん、私達を……」


この状況で、鏡を取り出すなんて何を考えているのだろう。


「二人とも、勘違いしないで。これはあなた達を守る鏡。命を奪う鏡とは違うわ」


ますますわけがわからない。


鏡は鏡で、守るとか命を奪うとか用途が違うの?


影宮さんに一枚ずつ鏡を手渡されて、私は蓋のしまったそれを眺めて首を傾げた。


「いざとなったら使えば良いわ。それよりも、昨日調べた事で面白い事がわかったの。一緒に……」


と、そこまで言って、影宮さんが階段の方に歩いて行こうとした時。















登校して来た伊達君が……私達の前に立ちはだかったのだ。