眠ったような
眠れなかったような

よくわからないけど朝が来て
心からホッとする。

朝日はあまり好きじゃないけど
今日は好き。

「学校休んだら?」

家族中に心配されて、そう言われたけど

「行く」って返事して学校へ向かう。

行ったら行ったで
みんな心配してくれたし
智和おじさんの一方的な電話内容を話すと、神妙な顔で話を聞いてくれた。

今は松本の身体と心を尊重し
意識が戻ったら
みんなで手紙でも書こうという話で落ち着く。

昔ながらのいつもの仲間。
わかり合ってる仲間だから
全てが上手く流れると思っていたけど

そうは

ならなかった。


今週は生徒の心のケアと安全の為
先生達の会議という名目で午前授業で
今日は一日自習。

だから
隣のクラスから人も集まり
ちょっとした公開裁判が始まる。

被告は須田凪子

しかしながら
本人不在。

凪子は体調不良で今日は休んでいた。

「僕が代わりに話す」
須田海斗は爽やかに声を出し
教壇に立ち俺達を見下ろす。

こんな状態でも
須田海斗は堂々と悪びれも無く
カリスマ塾講師みたいな雰囲気だった。

俺は凪子から没収したカッターナイフを胸ポケットから出し、自分の机の上に出す。

証拠はある
だから
昨日発見されたカッターナイフは凪子のではない。

はっきり言って
須田海斗の企みを暴きたかった。