警察の話があるからと
俺はそこに残る事になり
七瀬たちも俺が心配なのか、そこに残ってくれた。
「颯大、血がついてるよ」
まだ泣いている森ちゃんに言われ、両手を見ると血まみれだった。
もう……いいや。
あちこちで泣いてる女子を見ながら
疲れて座っていたら
ウサギ小屋の前で
小さく光るものを見つけた。
なんだろあれ?
気付かなかったけど
重い身体を立ち上がらせ
その前に歩いて行くと
一緒にみんなも付いてくる
引き寄せられるように発見したのは
カッターナイフだった。
血の付いたカッターナイフ
凶器?
「いやだー!」
また泣き叫ぶ女子の悲鳴の中、ひとり冷静な七瀬の声がその場所で響く。
「これ……須田さんのカッターナイフだ」
クラスの怒りが沸点に届く
そんな雰囲気が漂った。