「ちょっとごめん」
海斗はスッと自然に凪子の近くに寄ると、凪子は目を少し大きくしてやっと表情を見せた。
「脈が速い」
海斗の細い指が凪子の首筋を抑えた。
黒髪から現れた首筋は
白く透明感溢れていて
ジッと見てるとクラクラする自分が怖い。
こんな時に理性飛ばしてどうすんだ俺。
「熱もあるから、ごめん一回保健室行こう」
海斗は凪子を抱えるけど
回りが許さなかった。
「須田君。こっちの話が終わってからでいい?」
堂々と言われても
須田海斗は微笑みながら
「僕が答えるよ」って一歩も引かない。
「はっきりさせたいだけなの。もし須田さんがウサギを殺したんなら理由を知りたい」
女子に言われて海斗は驚き
「凪子が犯人?ありえない」
楽しそうに俺達を見て笑う。
「でも否定しないんだよ。違うなら否定してほしい」
暑さでみんな頭が回らない
どうにかなってる
今年の夏は
何か違う。