泣き顔の彼女を家の近くまで送り
俺はスッキリしない頭で家に入ると

ド派手なジャガーが玄関前にある

スッゲ嫌な予感。

家の中に入り
台所の母さんに、頼まれてたゴミ袋を渡すと

「遅かったねー」

うわっ
そのニタニタ笑顔が超怖えっ!

とっとと逃げようって思ってたら

「よっ!美少女と自転車2人乗り」

お母さんの弟である
智和おじさんがソファに座り俺に声をかける。

声でかい。
カンベンしてくれ。

「ちょーっとおじさんとお話しようよ」

この猫なで声が出る時は、しっかり絡まれるのを覚悟しなければいけない。

無視して逃げるつもりが
捕まってしまった。

「お母さんもお話したーい」
台所から出てきておじさんの隣に座ってるし

誰に見つかったのか
Lineの着信音がにぎわってる。

明日
学校行くのが怖い。

逃げたと思われるのも悔しいので、さりげなく冷蔵庫から麦茶を取り出しグラスに注ぐ。

「じーちゃんこないだ調子悪そうだったけど、おじさんとこ行ったの?」

「ただの夏バテ、点滴したら治った。今の時期暑いから沢山来るよ。特に年寄り多い。診療所だか老人の集会所だかわからんわ。たまに若いおねーちゃん来ないかなー」

のん気な医者の発言は平和な証拠。