なーんか
考え方が違うんだよな

そう思いながらネットを取り付けてると

「綺麗な子だよね」
知らない間に後ろに立つ七瀬に驚く

「忍者かよ!」
驚かすなよ。

「だって綺麗な顔してた」
ボソッと言って
七瀬はネットの片方を持ち、テーブルの中央互いに引き合いセットする。

「まぁね」
そうだな
男としては綺麗だよな

「色が白くて肌も綺麗。うちらみたいに外で遊んでまっ黒になってる田舎の子とは大違い」
憧れ半分
嫉妬半分
そんな
タメ息混じりの声。

「そうだな」
軽く同意。
あれで運動もできて頭もよかったら反則もんだろう。でも、きっとあの須田海斗は反則のカタマリのような気がする。

「綺麗って認めたよね」
ネットが緩み
七瀬は唇を噛んで俺をキッと睨みつけた。

「おいしっかり張れよ。ケガするぞ」

「颯大もあんなタイプが好きなの?」

「はぁ?何で俺が須田海斗のタイプになるんだよ。意味わかんね。俺はそっち系じゃないぞ!」
しつこさに半分怒りながら言うと、七瀬は「へっ?」って目を丸くしてから、お腹を抱えて大爆笑。

「何でそっちぃ?何で須田君の方なの?兄の話はしてないし。え?颯大は須田君の方なの?アブなすぎるー」

そのまま
ひとりで大ウケ状態。

勝手にしろ。

ネットを張って
後ろを振り返ると

先輩達が目を輝かせて俺を見つめる。

カンベンしてくれ

俺はノーマルだ!