疲れているのだろうか
白い顔が青白く変わる

一生懸命にうるさい女子の話を聞き、うなずいているけど顔色が悪い。

あれ?身体が揺れてる?

ジッと様子を見ていたら背中に衝撃を受けた。
痛さに振り返ると
須田海斗が俺達を蹴散らし
人波を分けて双子の妹に向かい怖い顔で進んで行く。

妹は兄の姿を見て顔をこわばらせ
立ち上がろうとした弾みにふらりと崩れ、須田海斗の身体に身を任せたように倒れ込んだ。

女子の悲鳴を浴びながら、兄の海斗は慣れた様に凪子を軽々と抱き上げて今度は俺に向かって歩き出す。

「保健室ってどこ?」
綺麗な顔に聞かれ

「あ……あっち」
威圧された俺は、慌てて保健室に案内した。