人の隙間から見える須田凪子は
色が白く
兄の須田海斗に似ていた。

肩で切りそろえた黒い髪がサラサラしていて、キラキラ輝いている。

白い肌
目は兄より大きく
綺麗な二重の目をしていた。

全てのパーツが整い
小さな唇の色が
紅を付けた様に赤かったのが印象的で

とにかく綺麗だけど

でも
どことなく
人を寄せ付けず
近寄りがたいイメージもあった。

兄の方は
ウェルカムな感じだけど

妹は違う。

遠巻きに見ていたら

妹の須田凪子の机の周りに5人ぐらいの女子がいて
それを囲んで男どもが輪を広げ
そこから何人か彼女を教室でバラバラと散りながら見つめ
扉の近くで山となる隣のクラスの男子の俺達

須田凪子を囲んだ

小さな宇宙のようだ。