居心地の悪さを隠すように、わざとゆっくり食事をして、食後のコーヒーも飲んで、俺は店を出た。




本当は、春川の視線が気になって、味わうどころじゃなかったんだが。





店を出る時に気づいたが、春川はまだ店に残るようだった。




すでに9時は大幅に回っていた。




たぶん、閉店の10時までシフトに入っているのだろう。






女子高生のバイトにしては、帰りが遅くなりすぎるよな………。




気にはなったが、指導するわけにもいかないしな。





働く春川の姿を見ていて思い出したのだが、春川は確かに、学校にアルバイトの希望を出していて、生徒指導部と学年団での会議の末、承認されたのだ。





だから、アルバイトについて俺が口出しするのも変な話なのである。