夜の公園は、あのときと同じように、しんと静まりかえっていました。




私ははやる気持ちを抑えられず、ぱたぱたと小走りで公園に入りました。




ぐるりと見渡しましたが、人影はありません。




先生はまだ来ていないようです。





いえ―――もしかしたら、やっぱり、来てくれないのかもしれません。





ふつうに考えれば、来てくれるはずがありません。





担任したわけでもない、学年も違う生徒から、夜の10時に学校の外に呼び出されるなんて………




ふつうは断るはずです。





急に不安になって、私は俯きました。




闇に沈む爪先をじっと見つめていると、また、涙がにじんできました。





本当に、今日の私は、泣き虫です。