「彩香ちゃんがいなくなると、本当に寂しいよ。


本当に一生懸命働いてくれたから、店としても惜しいな」





「そんな、私なんて……仕事も遅いし、」





「それは、一つ一つの仕事を丁寧にやってくれたからだよ」






そんなふうに言ってもらえるなんて、嬉しくて泣きそうです。






「大学に行っても、頑張ってね。


まぁ、彩香ちゃんなら何も心配ないけど。


たまにはこの店に来て、コーヒーでも飲んでゆっくりしなよ?」






「はい……ありがとうございます」






あたたかい気持ちで胸がいっぱいになりました。





三月半ばまでは働かせてもらうので、あと数回はお店に来る予定です。





私は「また今度」と西村さんに頭を下げて、荷物を持って外に出ました。