そうして、今日とうとう、春川たちの門出の日を迎えたのだった。





校門での指導を終えて、俺は職員室に戻った。




朝の簡単な打ち合わせが終わると、自分の担任するクラスに行って朝礼を済ませる。






「今日は先輩たちの卒業式だからな－。


お前ら、おりこうさんに座ってろよー？」






教壇に立ってそう言うと、お調子者の林田が、「せんせー、子ども扱いしないでくださいよー！」と叫んで、みんなが笑った。




時間になると、彼らを引き連れて体育館に向かう。




整然と並べられたパイプ椅子に座らせ、私語をやめせさて、卒業生の入場を待つ。





時間通りに、胸に花をつけた三年生たちが入場してきた。




会場の全員が拍手をして、彼らを迎える。





厳粛な雰囲気に緊張した様子で、見慣れた生徒たちが目の前を通り過ぎていく。