『藤森先生観察日記9』
◇
先生と話さなくなってから、もう何ヶ月でしょうか。
それなのに私は、毎日毎日、先生のことばかり考えています。
先生と私が一緒に帰ったり、一緒に朝ごはんを食べたりしていたのは、夏の終わりから秋の始めにかけて、今思えば二ヶ月にも満たない短い間のことでした。
今はもうすっかり冬になってしまって、先生と疎遠になってしまってからの時間は、先生と親しくしていた期間よりも長くなっています。
それでも私は、先生と毎日二人きりで話していた楽しさが忘れられずにいました。
でももう、ふつうの『教師と生徒』の関係に戻らないといけません。
そうしなければ私は、もっともっと先生に近づきたい、という思いを抑えられないくらいに、
………先生のことを、好きに、なってしまっていたのです。
勉強を教えてくれる教師としてではなく、
ひとりの人間として、
ひとりの男の人として。
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先生と話さなくなってから、もう何ヶ月でしょうか。
それなのに私は、毎日毎日、先生のことばかり考えています。
先生と私が一緒に帰ったり、一緒に朝ごはんを食べたりしていたのは、夏の終わりから秋の始めにかけて、今思えば二ヶ月にも満たない短い間のことでした。
今はもうすっかり冬になってしまって、先生と疎遠になってしまってからの時間は、先生と親しくしていた期間よりも長くなっています。
それでも私は、先生と毎日二人きりで話していた楽しさが忘れられずにいました。
でももう、ふつうの『教師と生徒』の関係に戻らないといけません。
そうしなければ私は、もっともっと先生に近づきたい、という思いを抑えられないくらいに、
………先生のことを、好きに、なってしまっていたのです。
勉強を教えてくれる教師としてではなく、
ひとりの人間として、
ひとりの男の人として。