今さら悔やんだって仕方がない。




とにかく近いうちに実家に帰り、仏壇に手を合わせて、墓参りをして、母さんに謝ろう。




そして、感謝の思いを伝えよう。





離れたところにいる母が、ずっと自分のことを応援してくれている、そんな気がいつもしていて、俺はそれで頑張れたのだ。






………こんなふうに思えるのは、春川がくれた言葉のおかけだ。







『先生と出会えて、本当に嬉しいんです』





『ここにいてくれて、ありがとうございます』







泣いてしまった俺を慰めるためだったのだろうが、それでも、その言葉は俺の心に染み入って、溶かしてくれた。






俺だって、同じだ。




教師になって、この高校に赴任して、偶然に春川と出会ったという奇跡。





それが心から嬉しいと思う。






ーーーでも。