………でも。




その視線だけは、なぜだか、無視することができなかった。





温度の差はあれ、いくらかの熱を帯びた視線なら、簡単に無視して、気づかぬ振りで通り過ぎることができたのに。






俺を静かに観察する視線だけは、どうしても、受け流すことができなかった。






俺は、その不思議な視線の持ち主を探した。





初めは、なかなか分からなかった。





視線自体の存在感はひどく大きいのに、視線の送り手の存在はなかなか浮かび上がってこなかった。






探しているうちに、いつも他の生徒につかまってしまい、俺は結局、その視線の持ち主を見出せずにいた。