春川と会っても動揺しない。




春川が誰かと話しているのを見ても、どんな感情も抱かない。





そうやって自分をコントロールする。




そうすればいいだけの話だ。





そして、なるべく俺のほうから春川に接触したりはしない。




わざわざ危険な橋を渡ることはないのだから………







……………と考えたはずなのに。







「………あ、先生」





「………おぅ。おつかれ、春川」






ーーー俺はどうして、また春川のバイト終わりに合わせて、駅で待ったりしてしまったんだろう?






「………来て、くださったんですね」






春川は少し驚いているようだった。





それもそうだ。




修学旅行以来の俺の態度を考えれば、今夜ここに俺が来たことは、ずいぶん統一性のない行動だ。