静かなワンルーム。




ボリュームを絞ったテレビの音と、冷蔵庫のモーター音だけが響く。





ーーーひとりだ、と漠然と思った。




こんなにひしひしと孤独を感じたのは、いつぶりだろう?





春川と一緒にいる時間が増えるにつれ、俺はひとりで家にいるときにも春川のことを考えるとくせがついていた。




そうすると不思議と、自分がひとりであるということを忘れてしまえた。




そうしてすっかり忘れていた孤独を、寂しさを、俺はいま久しぶりに思い出していた。





………どうしよう、と思った。





俺の中で、いつの間にかこんなにも、春川の存在が大きくなっている。




春川をひとりじめしたいと、愚かな思いを抱いてしまうほどに。