『藤森先生観察日記7』







「………ただいま」





修学旅行を終えて、家に帰ってくると、いつものようにお母さんは仕事に出ていました。



がらんとした薄暗い部屋の中に、私の小さな声は吸い込まれるように消えていきます。




私は電気のスイッチを入れ、大きな荷物を下ろし、よごれものを取り出して洗濯機の中に入れました。




ごぅん、ごぅん、と洗濯機が回る音を聞きながら、しばらくぼんやりとリビングの床に座っていました。





修学旅行は、最初の日の自由散策でみんなとはぐれてしまったこと以外は、順調に無事に終わりました。