春川と久保田の様子を横目に見ながら考えを巡らせていると、





「せんせー、全員そろいましたー」





担任をしているクラスの委員長、松永に声をかけられて、俺はびくりと肩を震わせた。





慌てて視線を戻し、





「そっか、ご苦労さん」





と松永に笑いかけ、俺はぐらぐらと揺れる気持ちを必死に抑えつつ、生徒たちが並ぶ列の前に移動した。






こんなことで動揺していてはいけない。




俺には仕事がある。



修学旅行はまだ続くのだ。





俺は必死に気を引き締めて、これからの予定を生徒たちに説明しはじめた。





ただ………春川のいる4組の列に、目を向けることはできずにいた。