自分のクラスの連中が集まっているあたりに辿り着いてから、なんとなく気になって振り返ってみる。




班長の久保田が、春川に向かって何度も頭を下げていた。




春川はすこし困ったように手を横に振っているが、久保田はとうとう土下座で謝りだした。




周囲からどっと笑いが沸き起こる。




春川も驚いたように目を丸くしてから、おかしそうに頬を緩めた。





立ち上がった久保田は、そのあとも春川と二人で残り、しきりに何か話しかけている。




春川はときおり小さく笑いながら、久保田を見上げて話を聞いていた。





はたから見れば、さわやかな高校生の男女の初々しい会話。




でも、それを見ている俺の胸に、もやっとした思いが膨れ上がった。