途中で、興味を引かれる店がありました。




昔ながらの古書店です。





私は思わず足を止め、店先に出してある文庫本の棚に魅入りました。




今まで見たこともない本、名前も知らない作家さんが、たくさん並んでいます。





夢中になって眺めているうちに、周りにひと気がないのに気がついて、私ははっと顔を上げました。





ーーーしまった、と青ざめました。




本に心を奪われているうちに、みんなが先に行ってしまったのです。





私は一番うしろを歩いていましたし、誰とも話をしていなかったので、気づかれなくても当然だと思いました。






店を離れてきょろきょろとあたりを見回してみましたが、どこにもグループのメンバーが見当たらず、私は途方に暮れてしまいました。