その日以降、俺は毎日、春川の弁当を食べるようになった。




毎朝早起きして春川が作ってくれた弁当を受け取り、昼休憩に食べる。




ただ、校内で弁当の受け渡しをすると、さすがに誰かに見られてしまう危険がある。




いくらなんでもそれはまずい、と俺は思っていた。




色々なパターンを熟考したすえ、毎朝俺が春川の家の近くまで受け取りに行くのが一番安全だ、という結論にいたった。





俺は朝いつもより早く電車に乗り、春川の家の最寄り駅でいったん降りて、



待ち合わせ場所になったひと気のない神社まで行き、



春川が作った出来たての弁当をもらって、



そのまま駅に引き返す。





一緒に登校するわけにはもちろんいかないので、俺は春川を先に駅に行かせ、自分は一本あとの電車に乗った。