6時間目に、学年集会がありました。



体育館に行くと、生徒たちがざわざわと話ながら列を作っています。



私は自分のクラスの列に混じり、集会が始まるのを待ちました。




しばらくすると、生徒指導の先生がたが、各列の見回りを始めました。



私のクラスは、藤森先生が担当のようです。





「せーんせ!」





私の二人前に並んでいる中田さんが、すぐ横を通りすぎていこうとする藤森先生を呼び止めました。




先生は「なんだ」と言って振り向きます。




すると、中田さんは「呼んだだけー」と明るく笑いました。





「あほか。前向け、前!」





呆れたように言って、先生は中田さんの頭を両側からつかんで前を向かせました。