それから先生は視線を戻し、私の目を見ながら、





「………もらっていいか?」





と掠れた声で言いました。



私はこくこくと頷いて、お弁当を差し出しました。




先生が小さく笑って、





「………ありがとう。いただきます」





と言ってくれたので、私は泣きたいくらいの嬉しさに包まれました。





「お口に合うか、分かりませんが………」




「いや、本当に嬉しいよ。ありがとな」





先生が少し照れたような表情をしたのが、とても印象に残りました。




そのとき、後ろのほうで明るい声がして、振り向くと生徒が数人でこちらに向かってきていました。



私は先生にぺこりと頭を下げて、慌てて校舎に向かいました。