頬杖をつきながら何気なく見ていると、蓋を開けて現れた弁当はカラフルなおかずがきれいに詰められており、ずいぶん美味しそうだった。






「うまそうな弁当だな」






ほとんど無意識に声をかけると、春川がぱっと顔を上げる。






「あ……そうですか」





「うん。お前のお母さん、料理上手なんだな」






にっと笑って言うと、春川はなぜか困ったように目を伏せた。




なんだろう、と思っていると。






「あの……これ、私が作ったんです」





「えっ?」






俺は驚いて頬杖を外し、春川を見た。