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とうとう修学旅行が再来週に迫ってきた。
昼休み、第二講義室に各クラスの修学旅行委員を集めて、連絡事項を伝える予定になっていた。
委員が昼食をとる時間がなくなってしまうので、弁当を持って講義室に来るように指示してある。
鍵を開けなければならないので、四時間目の授業が終わるとすぐに俺は講義室に向かった。
階段の中段くらいまできたところで、講義室のドアの前で待っているらしい制服のスカートがちらりと見えた。
ずいぶん早く来るやつがいるんだな、と思って上がっていくと、
「あ………」
「先生、こんにちは」
春川だった。