こういうことに関する生徒の情報網の優秀ぶりは、大人が目を瞠るものがある。



教員の個人情報だって、ツイッターやラインで、ものすごい勢いで拡散していくのだ。




俺の情報も、誕生日どころか、出身校や住所、家族構成まで知られているに違いない。






「ねえ、先生先生、開けてみて-!」





「おう……」






青い包装紙を開けてみると、紺地にシルバーのラインが入ったストライプのネクタイが出てきた。






「おー、ネクタイか。ありがとな」






女子高生が紳士服の店に行ってこれを選んでくれたのだと思うと、いつもはぞんざいに扱う俺でも、さすがに素直に礼を言ってしまう。





谷口と島野は顔を見合わせ、照れたように笑いながら立ち去っていった。