ベッドから起き上がった私は、ハンガーにかけられた制服を手に取り、着替えを始めた。


あれから1年と3ヶ月ちょっと。


私の周りは特に変わった事もなく、季節だけが変わって行った。


強いて言えば……あの日から半年後に、私と高広が付き合い始めたという事くらいかな? 変わったのは。


服を着替えて、制服姿を鏡に映した私は、ニコッと微笑んでみた。


「明日香? 起きてる?」


急に部屋のドアが開き、お母さんが入ってきたけど、もう着替えている私を見て安心したような表情。


「こんな日に起きてないわけないでしょ。お母さんも準備バッチリじゃない」


「当たり前でしょ。準備ができたら下りてきなさいよ。朝ご飯、できてるからね」


そう言って、お母さんは部屋を出ていった。











「じゃあ、いってきます!」


いろんな想いが込み上げて、泣きそうになりながらも、元気よく声を出して家を出た私。


家の前には高広がいて、眠そうな顔を私に向ける。


「よお、一緒に登校ってのも、今日が最後だな」


「うん……卒業だもんね」


そうあいさつを交わして、私達は学校に向かって歩き始めた。