淡い光が柱となって、空に昇っていく。
それが何なのかは私にはわからない。
だけど、その中に、留美子や美雪、健司や武司がいたような……遥の姿も、そこに見えたような気がした。
光が天に昇る。
それに呼応するように、ヒビ割れた世界が崩れ落ちる……。
学校で味わった感覚と同じだ。
光の柱と崩れる世界を見て……私は目を閉じた。
あれからどうなったんだろう。
光の柱が天に昇って、世界が崩れ落ちて。
遥が言う、誰かの想いの世界に変わったのかな。
少し怖いけど、目を開けてみると……そこは小野山邸の敷地内。
私が目を閉じた時と同じ体勢で、その場に座っていたのだ。
崩れた小野山邸。
きれいな星空。
そこにヒビはなくて、世界は変わらないけど、修復されたのだと感じた。
「皆……終わったよ。学校に戻ろう」
美雪と遥の犠牲は辛いけど、ふたりのおかげで終わらせる事ができた。
それがわかるほど、身体の中が清められたように清々しく感じるよ。
「高広、遥をいつ……」
このままにはしておけないからと、振り返った私は、なぜか仰向けに倒れている高広の姿を見た。