何十年もの永い眠りから覚めて、美子の亡骸が現在の空気に触れた。







「………!!」







その中を見た私達は言葉を失った。


美子の亡骸……どうなっているんだと身構えていた私の、想像を超えた姿。









まるでまだ生きているかのような、きれいな姿の美子がそこにいたのだから。












「赤い人」……だけど、美しささえ感じる。


切断された腕や足は糸で縫合されていて、それもまた、ごく最近施されたもののように見えるよ。


「……あ、明日香。いつまでも見ていても仕方ないでしょ。早く服を入れて戻りましょう。骨を見るより不気味だわ」


遥がそう言うのもわかるよ。


上手くは言えないけど……この美子もまた、父親が施そうとした蘇生術のでき損ないのものによって呼び出された、黒くて怖い人に呪われているのだろう。


「赤い人」と同じように。


私は手の土を払って、紙袋の中から赤い服を取り出した。