そう言えば約束してたな。
「カラダ探し」が始まる前に、日菜子と買い物に行くって。
まさかその事が、遥を辛い目に遭わせるなんて思いもよらなかった。
「……やっぱり辛いよ。忘れられるのがこんなに辛いなんて」
「カラダ探し」をする前に戻ってしまったんだから、日菜子は遥の事を何とも思っていないんだ。
いや、むしろ、少し苦手だと思っているかもしれないな。
でも、存在そのものを忘れられたわけじゃない。
遥にしてみれば、そっちの方が気が楽だったと思うかもしれないけど。
涙を流す遥をなぐさめながら旧校舎にやってきた私達は、出勤したばかりの八代先生を捕まえて、階段の踊り場で話をする事にした。
「カラダ探し」で得た情報を八代先生に伝えて。
「なるほどなるほど……じゃあ森崎さんと三神さんは、『赤い人』の『呪い』を解こうとしているわけか。確かに美子が死亡した年だと、この辺りでは土葬されていたけど……」
「どこに埋葬されたか、わかりませんか? 小野山邸が見える、小さな山だって事はわかってるんですけど……」
他に頼れる人がいない。