「ああ!? 何だとコラ!!」
「お、落ち着いて袴田君!」
悪口を言われて、声を上げた武司を何とか止めようとする小川君。
「小川卓也……デブでキモくていじめられっ子。誰からも好かれていない。私も嫌い。近よらないでほしい」
ブツブツと私達の文句を言いながら、棺桶から起き上がる幸恵。
その言葉はまるで「呪い」のようで、私達に不快感しか与えない。
「中島悠斗……クラス委員で、頭がよくて運動もできるムカつく奴。自分より強い人にはへこへこして、弱い奴には強く当たる社会のゴミ。嫌い」
ここにいない中島君の事まで。
誰かも似たような事を言っていたから、強く否定できないのが悔しい。
「香山日菜子……好き嫌いがはっきりしていて、嫌いな人とは必要な話もしない。私も話をされた事がない。だから私も嫌い」
これは……どうして私達に「カラダ探し」を頼んだのかという理由を言っているの?
嫌いだから頼んだ……苦痛を味わわせるために。
「三神遥……私の伊勢君にベッタリつきまとって、相手をされていないのにずっと一緒にいようとするバカな女。大っ嫌い」
その言葉で、遥の身体がビクンと揺れる。