悔しい……まただまされた。
眠りから覚めると同時に、真っ先に思ったのはそれだった。
3人が死ぬくらいならと、振り返って「赤い人」を呼び寄せたのに……まさかそれが罠だったなんて。
黒くて怖い人は本当に怖い。
もしかすると、堂々とした小川君を演じずに、怯えた小川君を演じていたのは、あのためなんじゃないかと思えて仕方がない。
目を覚ました私は、あれから誰かがカラダを見つけたか確認するために身体を起こして部屋の中を見回した。
「昨日」までと変わらないような気がするけど……大きな違いがふたつ。
まずは携帯電話。
飲みかけのペットボトルが置かれているテーブルの上に置かれている。
そしてもうひとつは落ちているはずの制服。
なぜかハンガーではなく、椅子の背もたれにかけてあったから。
ひとつ見つけたのか、それともふたつなのか。
それは聞いてみないとわからないな。
「多くても残りふたつなんだね。頑張らなきゃ」