ばたばたと勢いにまかせて階段を駆け下り、廊下を走り抜け、一号棟を飛び出す。
驚いたような顔でこちらを見てくる学生たちがたくさんいたけど、そんなものは気にならなかった。
授業を終えた学生たちが大勢集まっているあたりをぐるりと見渡す。
だけど、あの真っ赤なTシャツの背中はどこにも見当たらない。
………こういう言い方をすると、まるでストーカーみたいで、自分でも嫌になっちゃうんだけど。
僕はいつだって大河原さんの動向を見守っているから、今日は彼女の授業はもう終わりで、さっきの講義を終えたらすぐに帰途につくのだと知っている。
僕は、輪ゴムをぎゅっと握りしめて、最寄り駅に向かう坂道へと、全速力で駆け出した。
驚いたような顔でこちらを見てくる学生たちがたくさんいたけど、そんなものは気にならなかった。
授業を終えた学生たちが大勢集まっているあたりをぐるりと見渡す。
だけど、あの真っ赤なTシャツの背中はどこにも見当たらない。
………こういう言い方をすると、まるでストーカーみたいで、自分でも嫌になっちゃうんだけど。
僕はいつだって大河原さんの動向を見守っているから、今日は彼女の授業はもう終わりで、さっきの講義を終えたらすぐに帰途につくのだと知っている。
僕は、輪ゴムをぎゅっと握りしめて、最寄り駅に向かう坂道へと、全速力で駆け出した。