「まぁ、老後のことはさておき、ね?」






「えっ?」






見ると、大河原さんがにやりと笑っている。






「ま、こんな言い方はアレですが。

なんせうちら初コミュニケーションだし?

とりあえず、オトモダチから始めましょう、ってことで」





「えっ、うん………」





「なに、不満そうだね?」





「………オトモダチ……も、嬉しいんだけど………」





「じゃ、結婚を前提にってことで」





「ぅへぇっ!?」






大河原さんがあっけらかんと言うので、僕の声は裏返ってしまう。





大河原さんは弾けるように笑って、「ジョーダン、ジョーダン!」と言いながら歩き出した。




僕は慌てて後を追う。



追いながら、頬が緩むのをとめられない。






ーーーこれから、大河原さんに振り回される日々が始まりそうだ。




あぁ、楽しみだなぁ。







* * *



最後までありがとうございました。




<恋する変人>シリーズ

「憂鬱なソネット」
「斉藤くん、聞いてますか?」
「半径1メートル以内、立入禁止。」